変わらぬ鼓動

たまに重なり合うような僕ら

見たかった景色なんじゃないだろうか〜ミュージカル「ザ・ミュージック・マン」感想〜

こんにちは〜!泡です。

 

ザ・ミュージック・マン、観劇してきました〜!坂本昌行サイコー!!!!!!!

 

私はもともとV6が好きで、坂本くんが歌もダンスもめちゃくちゃ上手くて顔が米粒しかなくて脚が8mあることはしってたのですが、生で見る坂本昌行、想像を超えてきました。

群衆の中から一言発した時の「圧倒的主人公」を感じさせる声。劇場に曇りなく響き渡る

歌、軽やかなダンスと、堂々たる立ち姿。

坂本くんが演じた「ハロルド・ヒル」は、いわゆる「詐欺師」なのですが、雄弁に朗々と語る姿は、彼の話に異様なまでの説得力を持たせるのです。

 

(ここからめちゃくちゃネタバレを含みますので、見たくない人はブラウザバックで!)

 

舞台は、アイオワ州リバーシティという架空の街。リバーシティの人々は、「頑固で偏屈者」と言われていました。「セールスマン」のヒル教授の呼びかけにロクに答える人はいない。

そこで彼が目をつけたのが、「ビリヤード」です。

(ちなみに劇場では、キーワード集というチラシがもらえます。耳慣れない単語も多く、また歴史背景の理解にもつながりますので、もらっておくことをおすすめします!)

ビリヤードは当時はギャンブルとしての要素が強かったそうで、それが青少年には悪影響だと、ヒル教授は説いて回ります。そのためにどうするか、そう、バンド(マーチングバンド)を作ろう!と、ヒル教授は人々の説得を試みます。

 

しかし、所詮ヒル教授は「詐欺師」。本人は楽器の演奏も、楽譜を読むことも出来はしない。楽器と教本、マーチングバンドのユニフォームを売りつけてトンズラする算段なのです。

しかし、彼の話術と音楽の魅力に、リバーシティの人々は心惹かれていきます。楽器を載せた馬車が来ることをとても喜んでいるように。

最後までヒル教授を疑っていたマリアン(花乃まりあさん)も、彼の姿と、彼によって話すことを厭わなくなった弟(ウィンスレップ)の変化によって、ヒル教授に心を許します。

ところが、ヒル教授の詐欺によって、他の州ではセールスマンの信用は地に落ちていました。ヒル教授のせいで商売上がったりのセールスマン、チャーリーカウエル(藤岡正明さん)が、リバーシティにやってきます。そこで彼はヒル教授の正体をバラす手紙を町長に渡し、ヒル教授を追放しようとします。

 

詐欺師であることがバレてしまい。町議会で壇上に晒し上げられるヒル教授。町の大人たちは、金を返せ、子どもまでいなくなったと、ヒル教授を糾弾します。

そんな中、マリアンだけは、ヒル教授のおかげでリバーシティは変わった。これは喜ばしいことではないか。その立役者であるヒル教授を断罪するのはどうなんだと、人々を説得します。

確かに、木枯らしのように冷たいと言われたリバーシティには活気が溢れ、人々も音楽やダンスを楽しむようになっていました。

そこにやって来るのが、マーチングバンドのユニフォームと、買ったばかりの楽器を携えた子ども達。拙いながら彼らは、ヒル教授に教えられたト長調のメロディを奏でます。その中心にいたのは、マリアンの弟、ウィンスレップがいました。

その後、ヒル教授を指揮としたリバーシティの人々によるマーチングバンドの演奏で、ミュージカルは幕を下ろします。ざっくりとした概要はこんな感じ。

 

ラストシーン、子どもたちがマーチングバンドを組んでやってくるシーン。ヒル教授は壇上で、驚きとも感動ともつかない表情をしています。

それを見た時、あぁ、これってもしかしてヒル教授が見たかった光景なんじゃないかと思いました。自分が「売った」音楽が、人々に浸透していく。他の町ではうまくいかなかった(儲けにはなったけど)ことが、リバーシティで叶ったのです。

ヒル教授は音楽で青少年たちを守れると人々に説きました。

でも、音楽によって救われたのは他でもない、ヒル教授ではないかと思うのです。

彼は「詐欺師」ではなく、「音楽の先生」になったのです。マーチングバンドの先頭で、羽のついたシェイコを被り、指揮棒を振る姿。彼が本当に望んでいたことはこれではないかと思わせる表情を、坂本くんはするのです。

何より、坂本くんが音楽を楽しんでいることが一曲一曲から伝わってきて…。特に、76本のトロンボーンでは、キャストの皆さんと歌い、踊り、音楽の楽しさを伝えます。その姿が、ヒル教授は音楽を商売道具としつつも、でも本当は誰よりも音楽のことが好きで、本当はその素晴らしさを伝えたいと願っているのではないかと思わせます。

 

因みに劇中で、4人の身元調査官にヒル教授がバーバーショップカルテットを教えるシーンがあります。「アイスクリーム」でハモらせていくのですが、そこが学校へ行こう!の「イルカ見たい」でハモる姿に重なってちょっと笑ってしまいました。

 

純粋に音楽を楽しむことって素晴らしいと思わせるミュージカル、『ザ・ミュージック・マン』めちゃくちゃ楽しかったです!坂本昌行はやっぱり希代のミュージカルスターだ!

 

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